二年前に義理の姉を突然亡くしました。姉は亡くなる一年ほど前に離婚しており、一人息子である甥っ子は別の土地で暮らし、姉自身も一人暮らし。弟である私の夫と子供たち、私にとっての姑にあたる母親も姉とは三十分程度離れた所に暮らしており年に数回会う程度の付き合いでした。
まるでドラマを観ているかのような現実に戸惑いながらもお別れはしなければなりません。義理姉は賃貸アパートだったので遺体を部屋に運ぶこともできず、かといって私たちの自宅に運ぶこともできなかったので、家族葬が行われるセレモニーハウスへと安置されました。義理姉の遺体を目の前にして改めて『親族と別れること』『葬儀の意味』など考えさせられることとなりました。担当者の説明や意見を聞き、一般的なお葬式はせず一晩家族で義理姉を囲んで過ごし戒名はつけず本名のまま送り出すことに決め、翌日に火葬場でお別れをすることに決めました。特に家族の絆が強かったわけではないような気はしますが、姉との最後の時間をバタバタせずにゆっくりと過ごしたかったこと、そしてなによりそれらにかかる費用を残された甥っ子に渡してあげたかったこと、この二点が決め手になった気がしています。それが熊本でがん免疫療法を受けていた私たちにできる精一杯の感謝の表し方でした。
世間的にいうと、なんて罰当たりだ!と言われそうですが、きっと姉も天国で「それでいいよ」と言ってくれているような気がします。